【一般・学生向け】口腔内スキャナーがもたらす革新について【保険適用・マウスピース矯正】

歯科

みなさんこんにちは!

勉強中の歯科技工士まるもこです。

歯科の世界で働き始めてよく聞くようになった口腔内スキャナー(iosアイオーエス)。

この記事では、口腔内スキャナーとは何か、そのメリットや保険適用の範囲、矯正治療での活用方法について、分かりやすく解説します。

口腔内スキャナーで歯型取りが簡単になり、高精度で快適な治療を受けられる未来をぜひチェックしてくださいね!

まず、そもそも口腔内スキャナーとは何なのでしょう。

口腔内スキャナーは、歯科治療において患者の口腔内を光を当ててスキャンし、3Dモデルを作成するためのデバイスです。

従来の型取りシリコンを使った方法に比べて、より正確で迅速なデータ取得が可能です。これにより、患者の快適さが向上し、治療の効率も大幅に改善されます。

要は、型取りをせずとも口の中の形ををデータで保存できるというものです。

詳しく見ていきましょう。

口腔内スキャナーの構造

(例)TRIOS5 3Shape社 3Shape TRIOS 5 – 衛生的かつ使いやすい口腔内スキャナー

①カメラ

先の部分に複数のカメラが付いていて、撮影した写真をつなぎ合わせて患者さんの口に中を3D で表示してくれます。

②撮影ボタン

ボタンを押している間、カタカタカタという音と共に撮影ができます。

③バッテリーor有線

口腔内スキャナーの種類によりますが、例のTRIOS5は最新モデルでワイヤレス型になるのでバッテリーをはめ込む場所になります。優先モデルの場合はここにコードがついています。

ほとんどの口腔内スキャナーは同じような構造になってます。

忙しい会社員
忙しい会社員

へー!口の中を撮影するのはすごくシンプルな操作なんですね!

今までの歯型を取る方法は固まるまで待つ時間があるけど、口腔内スキャナーなら短時間で終わるんですね!

デジタル技術の目覚ましい進化とはいえ、現状では従来の手作業の方がいい面もあるんです。

患者さんもより精度の高い治療を求めるなら必見です。

口腔内スキャナーのメリット 5選

  1. 治療時間の短縮
  2. 型取り材を口に入れなくていい
  3. デジタルデータの保存と共有ができる
  4. 物理的な保管スペースが不要
  5. 型取り材(印象材)や石膏が不要

1.治療時間の短縮

スキャンは2~3分で完了し、スキャンデータは即座に表示が可能です。

これにより、治療計画の立案やより詳細な患者への説明ができます。

患者さんは、自分の口の中がどんな状態なのか、どんな治療が必要なのか、その場でしっかり確認できるのです。

忙しい会社員
忙しい会社員

スキャンは1~2分でおわっちゃったよ!

すぐに画面に自分の歯が表示されて、

奥歯の方に黒い虫歯がいっぱいでちゃんと歯磨きが必要だって改めて思ったよ・・・。

歯科衛生士さん
歯科衛生士さん

私たちも説明しやすいし、患者さんの歯科への関心が高まってる実感はありますね!

2.型取り材を口に入れなくていい

これは、全ての患者さんが大歓喜なのではないでしょうか。

歯科治療をしたことがある人は、時間がたつと固まるシリコンのような材料で歯型を取ったことがあると思います。

あの独特の味がする冷たい型取り材(印象材)を大量に口に中に入れて、固まるまでずっと口を全開にして待ってないといけないなんて、かなり苦痛ですよね。

のどの近くに異物があることで起こる吐き気(嘔吐反射)を起こしてしまう人も安心です!

患者さんの中には型取り材を外すときに、グラグラしている歯も一緒に抜けてしまうリスクがある人もいますが、口腔内スキャナーでは抜歯になることもありません。

口腔内スキャナーで口腔内をスキャンすれば、数分で終わってしまいます。

歯科衛生士さん
歯科衛生士さん

印象材を使う場合は、固まりきってないときに動いたり、外しちゃったりすると変形のリスクがあるんですよね・・・。

忙しい会社員
忙しい会社員

僕は泣きながら吐き気を抑えてたよ・・・。

口腔内スキャナーを使ってくれる歯医者さんに行きたいね!

3.デジタルデータの保存と共有ができる

口腔内スキャナーでスキャンしたものは、データで保存され画面に表示されます。

その場ですぐに不備がないか確認、患者さんと共有ができます!

従来の型取り法では、型に石膏を流して、模型の状態にしないとちゃんと型がとれてるか変形してないかどうかは診断できないのです。歯型を歯科技工所に送って、模型にしてもらった後、ちゃんと歯形がとれてなくて再来院・・・ということも多いです。

不備があった場合はその場で確認できますし、最新のものはAI機能で不備を見つけて補完してくれる機能もあります。

すぐにクラウド上に保存され、共有できるので、患者さんが帰る前に、歯科技工所にデータを送って不備がないか確認してもらうこともできます。

まるもこ
まるもこ

不備があって再来院、再スキャン、さらに再製作なんて、ストレスしかないですよね

4.物理的な保管スペースが不要

口腔内スキャナーでスキャンしたデータはデータなので保管場所はクラウド上がメインになります。

すべてPC上での管理になり、情報をまとめておくのに最適ですね。

従来の型取り法では、型に石膏を流して「模型」にします。

すなわち、患者さんの口の中の情報を「モノ」で保管していくことになります。

一日に何人もの患者さんを治療して、カルテや模型を保管するのって年数を重ねれば重ねるほど増えていきますよね。

まるもこ
まるもこ

昔の模型を破棄する手間も、探す手間もなくなるわけですね。

5.型取り材(印象材)や石膏が不要

4とは違って、こちらは材料です。

口腔内スキャナーでは、まず粉を扱わないので汚れませんし、廃棄物も出ません!

型取り材(印象材)は粉と液を混ぜてペースト状にして使用します。

型に流す石膏も同様、粉と水を混ぜて使用します。

意外とこの「粉」系材料の値段が高く、5キロや10キロ単位で購入し、温度や湿度に気を付けながら保管しなければいけません。

また、扱いも難しく、効果時間や分量などをシビアに守らないと変形してしまいます。

使用後は産業廃棄物として破棄するので、最後までお金と手間がかかります。

まるもこ
まるもこ

まさに、歯科において型取り材は命!

精度の維持はなかなか職人技なのです。

口腔内スキャナーは保険適用できる?

気になるのは、口腔内スキャナーを使った治療が保険適用できるかどうかですよね。

① 保険が適用されるケース

2024年の診療報酬改定により、一部の治療では、口腔内スキャナーを使った場合でも保険が適用されるようになりました!

特に、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレー(硬質レジンの被せ物や詰め物)を作る際には、保険が適用されます。 つまり、歯の詰め物やかぶせ物を作るときに、口腔内スキャナーで歯型を取ると、その費用が保険でカバーされるケースがあります!徐々に保険適用範囲が改訂されているので、今後に期待です。

CAD/CAM冠は、銀歯とは違って、歯の色に合わせた白っぽい色の硬質レジン(プラスチック)です!

まるもこ
まるもこ

CAD/CAM冠の素材の強度がまだ弱いので、単冠(一個の歯)にしか使えないんですね~

複数の歯をつなげるブリッジを作るのはダメなんです・・・

② 自費診療との違い

全てのケースで保険が使えるわけではありません。

矯正治療や審美目的の治療では、依然として自費診療になります。

保険診療は、あくまで必要最低限の治療に限られているため、患者さんの希望によっては、より高額な自費診療が必要になる場合もあります。

自費診療の特徴としては、保険に比べて使用できる材料や技術の選択肢が広がり、より高度な治療を受けることができます。

まるもこ
まるもこ

自費診療なら、無限の可能性を秘めてますね

③ 実際にかかる費用は?

保険適用の場合、患者さんの負担額は3割です。

保険適用でも使用するスキャナーの機器や治療内容によって、費用は異なります。

例えば、簡単な詰め物の治療では数千円程度で済むことが多いです。

自費診療では、価格設定に制限はなく、歯科医院によってかなり差があります。

高品質、高精度を目指し、最先端の機材や材料にこだわっている歯科医院もあれば、10年前の機材でも安心安全の実績を持つ歯科医院もあります。

自費診療になると、被せ物一個で数万円かかることも珍しくありません。

自費診療を受ける際は絶対に、事前に歯科医院でしっかりと費用について確認することをお勧めします。

まるもこ
まるもこ

口腔内スキャナーを使っても、作る歯が保険適用じゃなかったら怖いですもんね。。

口腔内スキャナーでの矯正治療が便利な理由

最近の矯正治療では、マウスピース矯正が流行ってますね!

ここでも口腔内スキャナーが大活躍なんです。

① マウスピース矯正ができる理由

口腔内スキャナーで取った歯のデータは、デジタルで保存され、そのままマウスピースを作るための型として使われます。

従来の矯正治療では、ワイヤーを使った固定装置が一般的でしたが、最近では透明で目立たないマウスピースを使った矯正が主流になってきています。 スキャナーで精密なデータを取ることで、患者さん一人ひとりにピッタリと合ったマウスピースを作れるため、効率的な治療が可能になるんです​。

② 治療の流れを簡単に説明

治療の流れはとてもシンプルです。 まず、矯正器具の代わりに、歯の表面に小さな突起をつけます。この突起にマウスピースをひっかけて歯に力をかけて移動させていきます。この突起は歯の色と同じなのでほとんど目立ちません。

そして、口腔内スキャナーで歯型を取り、そのデータを基に歯の移動シミュレーションが行われます。 その後、シミュレーションに基づいてマウスピースを作成し、治療を進めていきます。

数週間ごとに新しいマウスピースを作成して、少しずつ歯並びを整えていく流れです。 このデジタル技術を使うことで、治療期間が短くなることもありますし、来院回数や矯正器具がないのでメンテンナンスも楽です。患者さんにとっても負担がかなり軽減されます。

口腔内スキャナーを使えば、データを使って実際にどうやって歯が動いていくか矯正後の歯並びのシュミレーションができるのが一番の魅力ですね!顔写真や顔のスキャンがあれば自分の顔と重ね合わせて確認もできます!

矯正後の歯並び、正直どうなるかわからないですよね。歯医者さんに言われるがまま抜歯したり、前歯が真ん中からずれてたり…せっかく高額の治療代を払うのにそんなの怖いですよね。

口腔内スキャナーを使えば、歯科矯正への不安が減りますね!

③ 実際の導入例と体験談

多くの歯科医院で口腔内スキャナーが導入されていますが、特に矯正治療を受ける患者さんからは「短期間で成果が出た」「思ったよりも快適だった」という声が寄せられています。

従来のワイヤー矯正に比べ、見た目が自然で、取り外しも簡単なマウスピース矯正は人気があります。 また、デジタルデータを使うことで、装置の精度が高まり、治療結果に満足される方が多いのも特徴です!

まとめ

口腔内スキャナーは、従来の歯型取りを大幅に改善する新技術です。

短時間で精度の高いデータを取得でき、患者さんの負担も軽減されます。

特に保険が適用される治療が増えているため、利用しやすくなっています。

矯正治療でも、マウスピース型矯正を使った快適な治療が可能になり、治療期間の短縮や精度向上が期待できます。

これからの歯科治療には欠かせない技術なので、ぜひお近くの歯科医院で相談してみてくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました