【趣味で要約シリーズ①】【正しい臨床決断をするためのエビデンス・ベースト・インプラントロジー】

趣味で要約シリーズ

みなさんこんにちは!まるもこです。

今回は【正しい臨床決断をするためのエビデンス・ベースト・インプラントロジー】小田師巳/園山亘著を読んでみました!

ブログに書いていくことで、自分の中でのアウトプットを目的にしていますので、読んでもわかりにくい部分も多いと思いますが随時更新していきたいと思います。

エビデンス・ベースト・インプラントロジー 第1章

正しい臨床決断のためのエビデンス・ベースト・インプラントロジー

第1章

はじめに

第1章では、下顎臼歯部におけるインプラント治療を中心に、臨床決断とそのエビデンスを示しています。経験が少ない臨床家がまずマスターすべき欠損パターンを学び技術を習得することで患者にとって最良の治療計画を実践していくための考え方が書いてあります。

おすすめポイント

第1章の内容はインプラント治療の実践者にとって非常に有益な情報を提供しています。

特にエビデンスに基づく治療計画を立てる際の参考になります。

主な内容

    インプラントの長径

    結論

    ・長径10mm以上のインプラントは生存率が極めて高く、標準的な選択肢だったが、近年では8mm程度の短径インプラントでも生存率が同等であるため、基本は8㎜を選択する。

    ・6mmのショートインプラントは、解剖学的な制限がある場合、上部構造を連結することが可能であれば選択する。

    詳細

    ・10mmと8㎜を比較すると、オッセオインテグレーション獲得率・維持率ともに有意差を認めていない。

    ・6㎜に関しては生存率にコンセンサスが得られていない状態だが、6㎜を使用して2本連結にした場合は8㎜以上を使用したの時の生存率と有意差はないという報告もあるため、連結の場合は十分に選択しうるものになる。

ティッシュレベル (TL)とボーンレベル (BL)の使い分け

結論

隣在歯が生活歯の場合、ブリッジの予後が良好です。一方、失活歯の場合はインプラントの選択を推奨する。

詳細

TLインプラントはカラー部のメタルが露出するため非審美領域の臼歯部に適しており、マイクロギャップがないので細菌感染リスクが低減されます。

カラー部の高さは生物学的幅径と同等の約3㎜となっており、理にかなった構造をしています。

BLインプラントは審美領域の前歯部に適しており、自然な見た目を実現できます。

骨吸収量に関して

 しっかりとしたメンテナンス下であれば骨吸収量に大差はなく約1㎜以下にとどまることがわかっています。

第一大臼歯までの短縮歯列の選択理由

結論

患者の経済的な負担の増大とそれによって得られるメリット(咀嚼能力や顎関節への負担軽減およびQOLの向上)のバランスを考えると、第二大臼歯のみの欠損は慎重な経過観察を行えば許容できると判断し第一大臼歯までの咬合支持の確立による機能回復を優先する。

詳細

・7番がなくても、顎関節に異常が出たり、正常歯列と比較しても咀嚼効率は変わらない

・臼歯部の咬合接触を減じていくと下顎頭の変位は増加していく傾向にあるが、変位量の観点からは治療による機能回復のカギになる歯は第一大臼歯である

※短縮歯列弓(SDA)とは

遠心側から遊離端欠損している歯列弓のこと。欠損数や指示領域で分類されている。

全顎症例の時の診断waxupや即時プロビジョナルとかも短縮歯列で!って言われるのは、ちゃんと根拠があったんですね!

1歯中間欠損におけるブリッジorインプラントの選択基準

結論

隣在歯が生活歯の場合、ブリッジの方が良好である。一方、失活歯の場合はインプラントの選択が推奨される。

詳細

純粋にインプラントとBrの5年前後の生存率比較では生存率は変わらないが、8年前後で見るとインプラントの方がかなり優位(92%)である。

8年の累積生存率で評価するとプリッジの支台歯には歯根破折などのトラブルが増える一方、インプラントのほうが有意に良好な予後を示している。

生活歯のブリッジだけで評価すると、8年累積生存率は94%であり、インプラントのそれと統計学的に差がなかった。

一方で、失活歯のブリッジの8年累積生存率は54%とたいへん低い。

インプラント周囲の角化組織の必要性

結論

角化組織が2mm以上あることで、炎症や骨吸収を防ぎ、メンテナンスが容易になる。不足している場合は予後のためにFGGを検討する。

詳細

角化組織の幅が2mm未満という状況は、インプラント周囲炎のリスクファクターと考えられれおり、

「角化組織は存在したほうが望ましい」という論調が多ぃ。

その理由としては、

ブラッシング時の痛みが減少することでプラークの除去が容易になりBOP陽性率が有意に低くなり、

軟組織退縮や辺縁骨吸収の防止にも有利であることなどが挙げられている。

一方で、角化組織は必ずしも要るわけではないという意見もある。 その根幹は厳格なSPTを行い、プラークコントロールができていれば、問題ないため、あえてFGGなどの外科処置は必要ないという結果に基づいている

厳格なSPTを維持するのが難しくなりであろう超高齢化社会におけるセルフケアの観点から、先々を見据えてFGGを行い口腔内環境を整えておくのも重要である。

FGG(Free Gingival Graft)とは?

遊離歯肉移植術のこと。歯やインプラントのまわりの角化歯肉を増加させるために、主に口蓋から歯肉を採取し上皮組織ごと移植する術式。角化歯肉や口腔前庭の幅を増やし、セルフケアをしやすくする。

BOP(Bleeding On Probing)とは?

歯周病の検査で歯茎からの出血の有無を調べる検査のこと。プローブと呼ばれる探針を歯周ポケットに入れた際に出血するかどうかを確認する。

BOP+だと出血してるということ。

SPT(Supportive Periodontal Therapy)とは?

歯周病安定期治療とも呼ばれ、歯周病治療が終了した後に歯周病の再発や進行を防ぎ、歯周組織を維持するための定期的な治療のこと。

SPTの対象となるのは、歯周ポケットが4mm以上残っているものの、病状が安定している歯周組織である。

PCR(Plaque Control Record)とは?

口内の歯垢(プラーク)の量を数値化して口腔内の清掃状態を評価する検査のこと。PCR値が20%以下が目標値とされている。

セメント固定式VSスクリュー固定式

結論

残留セメントがないスクリュー固定を第一選択肢とする。

セメント固定式では、マージンの位置を適切な高さにに決める必要がある。

詳細

インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎といった生物学的合併症や

セメントの維持力減少による上部構造の脱離やスクリューの緩みなどの機械的合併症については、総じてセメント固定式で多いと報告されている

マージンを歯肉縁下にすればするほど残留セメントは多くなるが、歯肉縁と同じくらいの高さにしても残留セメントはすべてのケースにおいて完全に取り除くことは難しい

前装材料のチッピングに関しては、スクリュー固定に多い。

ジルコニアアバットメントにおけるインプラント接合部の材料

結論

接合部を含むアバットメント材料はインプラント体と同じチタンを選択し、その上にジルコニアを接着する

詳細

ジルコニア製アバットメントは審美性や清掃性に優れる。

しかし、ジルコニアはチタンよりも硬いため、チタン製であるインプラント体の接合部やスクリューが摩耗してしまい、撤去できなくなる可能性がある。

リスクを避けるためにも、接合部を含むアバットメントの素材はチタンにし、その上にジルコニアを接着するのが望ましい。

シングルクラウンVSカンチレバーブリッジ

結論

カンチレバーの有無では、インプラントの辺縁骨レベルの変化量に差はないが、基本的にカンチレバーは補綴的な合併症が多いため第一選択はシングルクラウンとする。

様々な理由で埋入が難しい場合、7㎜以下の大きさのカンチレバーならば十分選択できる

詳細

欠損歯数分を埋入ではなく、

歯槽骨が狭小、下顎菅や上顎洞接近、患者の全身疾患、経済的な理由などによりカンチレバーを選択する場合がある。

カンチレバーブリッジにおける補綴装置の技術的な合併症はシングルクラウンと比べて有意に多いとされる。

1歯程度の長さのカンチレバーであればい近遠心どちらでも、インプラントの生存率や辺縁骨吸収量に関しては差はない。

カンチンバーの長さと、インプラントの喪失、補綴装置の技術的合併症、辺縁骨の吸収量とは正の相関がある。

トラブルが起きたカンチレバーの長さは平均8㎜を超えている。

レギュラーインプラントVS ナローインプラント

結論

幅径が3mm以上のナローインプラントであれば、レギュラーと比較しても生存率に大差はなく有用である。

詳細

骨幅が狭小な顎堤に対して水平的なGBRを行うことなくインプラントを埋入する手法として、幅径が細いナロータイプのインプラントが用いられることが多くなっている

インプラント体の幅径が3mm未満の場合リスク比が4.5と有意差がある。

10年の生存率は92.3%で、埋入部位が臼歯部であること、喫煙者であることが喪失と優位に関係していることがわかっている。

ナローインプラントの辺縁骨吸収は荷重開始後の2年間で変化し、その後は安定している

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